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GW、土とビニールと種まきとテヘヘ。

風が強くなる前に、張り終えたい

5月3日。
世の中は連休モード全開。

こちらはというと、
育苗用に使っているビニールハウスの張り替え作業をしていた。

地域でも使うことのあるハウスだから、
ご近所の方々と一緒に手を動かす。

ビニール張りに慣れている方がいて、ほんとうに助かった。
この作業、人数も大事だけど“経験”の力って大きい。

風が吹くたび、ビニールが空に持っていかれそうになる。
一瞬「これ、気球みたいに飛んでく…?」とよぎるも、
なんとか地上にとどめて、張り終えることができた。

空はまぶしいくらいに晴れていて、
ビニールもピンと張れていて、気持ちもなんだか整った。

張ってないかのように見える綺麗な新品のビニール

静かなスタートは、水の中から

作業の前日、5月2日からは浸種(しんしゅ)がスタートしていた。

10〜15℃の冷たい水に、稲の種籾をしずかに沈めて、
芽出し機で保温。これがうちの春の恒例行事。

芽が出るのを待っている時間もまた、大事な仕事。
まるで「春がちゃんと来るのを確認してる」みたいな気持ちになる。

土と少しだけ会話する日、5月4日

この日は荒起こし。
田んぼをトラクターでガリガリと耕していく作業。

すると、どこからともなくカラスがわらわらと集まってくる。

「やってるやってる」と言わんばかりに、
耕したばかりのふかふかの土を、
くちばしでツン、ツン、ツン。

ミミズや虫でも探してるのか、
それとも春の気配を確認しに来てるのか。
毎年この光景を見るたび、
“人と鳥の無言の共同作業”だなあ、と思う。

耕す→カラス集まる→また耕す→また集まる、のループ。
たぶん向こうも「荒起こしの季節だな〜」って思ってる。

なんか塗りつぶしゲームみたい

そして5月7日、1500枚分の未来をまく

いよいよ播種の日。
苗箱1500枚分。

今年も気合を入れて挑んだんですが、
最初の数時間は、なんと120枚ほど「土だけの箱」を量産。

種子がちゃんと入ってないことに気づいた時は、
軽く時が止まりました。

完全に「がんばって作ったただの土」状態。
テヘヘ、って声に出して言ったのたぶん久々です。

その後は無事に修正して、
残りはしっかり種まき完了。

箱を並べ終えた時の達成感といったら…
1500枚分の未来が静かに整列してる、って感じ。

種子出てるよね!?確認ね!!

またひとつ、無事に終わりました

今年のゴールデンウィーク。
派手な予定もなく、旅行もなく、
でもちゃんと、“春を迎える準備”ができた。

ビニールを張って、
水に浸して、土を起こして、種をまいて。

途中ちょっとやらかしたけど、
結果的にはちゃんと、またひとつ、無事に終わりました。

たぶんこれが、うちの春のかたちです。

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阿部

プロフィールをご覧いただき、ありがとうございます。農口屋株式会社の取締役の阿部と申します。出西生姜の栽培を担当しており、水稲の栽培やドローンを活用した農業にも取り組んでいます。趣味は車やバイク、釣りで、仕事の合間に心身をリフレッシュしています。

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