腰が砕けても、生姜を植える理由

今日は、初夏の風が心地よい中――
出西生姜の定植(ていしょく)を行いました!
まずはここで、ちょっと自慢させてください。
出西生姜(しゅっさいしょうが)って、島根県出雲市出西地区でしか育てられていない、
知る人ぞ知る“香りの貴族”みたいな生姜なんです。
香りがぶわっと広がるのに、
辛すぎず、やさしい。
例えるなら…
「生姜界のオードトワレ」って感じです(言い過ぎかも)。
まずは土づくり。生姜はワガママだから。
生姜って、実はちょっと気難しい子でして。
乾燥が苦手。かといって、ジメジメしすぎてもアウト。
そんな“湿度の絶妙バランス”を狙うべく、
水はけがよくて、でも適度に水分を保てる畑を選びました。
そのうえで、
土を耕して、堆肥をどさっと。
ふかふかで栄養たっぷりな土に整えていきます。
これで生姜が「ここ、いいかも…」って思ってくれたら大成功。
いよいよ主役、種生姜の登場です
種生姜は、親株から手作業で切り分けたものを使用。
切ったばかりだと病気になりやすいので、
ちゃんと乾かしてから植えるのがプロの流儀。
乾燥させた断面は、ちょっとカサついたお餅みたいで愛おしい。

種生姜、いざ布陣。
畝(うね)を作って、30センチ間隔で種生姜を並べていきます。
芽が上を向いているか確認しながら、ひとつひとつ。
これが……
想像以上に腰にくる。
種生姜が整列した姿は、
まるで体育祭の前の整列みたいで、
ちょっと微笑ましい。

最後に、管理機でそっと土をかぶせてあげます。
水やりは……しないの?
今回は、明日が雨予報だったので、
水やりはナシ。
生姜は湿気が好きなので、
お天気と相談しながら水の管理をしていくのも、
育て親の大事なお仕事。
シンプルだけど、奥が深い
この定植作業、
パッと見は地味かもしれませんが、
・土壌の性格を見極めて、
・栄養バランスを整えて、
・優しく丁寧に植えつけていく
……と、全ステップに気づかいが詰まってます。
ここからが、生姜との付き合いの始まり
収穫までの道のりは長いけれど、
芽が出るのが楽しみで仕方ない。
畑を振り返って、
並んだ種生姜たちを見つめると、
ちょっとグッとくるものがあります。
腰は砕けたけど、心は満たされた。